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屋久島ダイビング日記

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2013年 03月 31日

屋久島のキンセン事情

『屋久島ダイビングライフ』 【HP】

【ポイント】  タンク下  【 天気 】  晴れ  【 風波 】 北西1,5m
【 水温 】  22℃  【透明度 】  20m  【 潮 】 中潮

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数種類のテンジクダイが卵を咥え始めたので今日はその中でもオオスジイシモチの産卵狙いで日没の頃潜ってみた。
でも今日の日記はキンセンイシモチについて!
だってオオスジイシモチはどれも卵を咥えていて今から産卵というような個体が見つからなかったから。。。

当初の目的のオオスジテンジクダイの観察に当たってオオスジイシモチ通の山口氏にお聞きした所、大瀬崎ではポイントによって産卵の見られる時間帯が違うらしいと言うことだった。
そのことを聞いていたせいもあってか今日は自分の中での屋久島でのキンセンイシモチの概念が全て打ち砕かれた様な日だった。

まず基本的なこととして、屋久島では日中キンセンイシモチは外に出ていない!(見方によって表現は違うかも)
岩陰を覗けば日中でも見られるけれどあからさまに外に出ていることはほとんどない。
伊豆でよく見るキンセンイシモチはみんな堂々としたもので何かに寄り添って入るものの開けた場所で普通に見られる。

今日は18時にエントリーしたけど水深10mまでの範囲でその時はキンセンイシモチはもちろん他のイシモチ類もほぼ見当たらなかった。
日没時間の18時36分くらいになってようやく岩陰から姿を表し始めたけどそれでもまだ少ない。
そこで防波堤沿いのテトラポットを覗いて見るとギョッとするほどいた!!!
それが写真上↑。
時間は19時ちょっと前。辺りがほぼ暗闇になろうと言う頃だ。
テトラポットに体をうずめて5分くらいした頃に周りをを見てみると砂地はすっかりイシモチ天国になっていた!!
さっきまで一切イシモチ類が見当たらなかったのにものの数分でこんなに広がっているとは。。。
そう、屋久島ではイシモチ(テンジクダイ科)の多くが夜行性なのだった。
それはキンセンイシモチももちろんそう。
今まで伊豆で見ていたキンセンイシモチを基本に考えていたからそんなことは思わなかったけど所変われば生活も変わると言うことなのだろう。
これも今日分かったことだけど日中のテトラポットの奥には僕の想像を遥かに超える量のイシモチたちが蠢いているようだ。



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アカホシキンセンイシモチ
そして今日真剣にキンセンイシモチたちと向き合って気がついたのは、アカホシテンジクダイの多さだ。。。
色々な情報で屋久島では珍しいというイメージだったけどまったくの誤りだった。
浅場ではキンセンイシモチとアカホシキンセンイシモチは同じくらいの規模で生息していた!!
いままでそれに気がつけなかったのは一重に僕の観察眼のなさ。。。夜潜りをたくさんしている割に全然見えていなかった。
アカホシキンセンイシモチは尾びれの付け根に赤い斑紋があると言うことだけど屋久島の個体群は極めて不明瞭。それよりも体側の金色の帯と白っぽい帯の太さの比率の方が分かりやすい。


《 アカホシキンセンイシモチは白色の帯が金色の帯の太さと同じかそれよりも太い 》




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キンセンイシモチ
こっちが本家のキンセンイチモチ。
パッと見は似ているけど金色の地に白く細いラインが入っているような感じでアカホシキンセンイシモチとは印象が違う。




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アカホシキンセンイシモチ(写真上)とキンセンイシモチ(写真下)
両者ともに数が多いためこんな風に一緒にいることも多い。
それも原因でいままで混乱していたのだろう。というか放棄に近い(笑)



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アカホシキンセンイシモチ
キンセンイチモチっぽい印象を受けたけど良く見ると尾びれの付け根が薄っすら赤いしアカホシテンジクダイっぽい。
まぁこれだけ混在していれば両者のハイブリットなんかもいるだろうから断言できないけど。。。



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アカホシキンセンイシモチ(?)のメス(卵持ち)
今日の日記は自分にしては長々と書いた方だと思うけど、今まで書いたのはただの種分けの話で知ってしまえばふ~んで流させる。
しかしこれから書くことは僕の憶測や多分に妄想も加わっているので事実ではないかもしれないけれど僕の中のキンセンイシモチ事情を崩壊させかねないほど衝撃的なことだった。

それはこの写真の様なお腹の大きなアカホシキンセンイシモチやらキンセンイシモチが単独で砂地に散らばっていたこと!!!
19時頃に現れ始めたイシモチたちは砂地や砂地にある岩などの周囲に散らばった。
お腹の大きな個体は多く、数は少ないけど口内保育している個体もいたので当然これからの産卵劇に期待をしたんだけど待てど暮らせど一向にそんな気配がない。
普通キンセンイシモチといったら産卵前は雌雄でペアになって、あんなことやこんなことをイチャイチャとするものだけれどそれが一切ない。それどころかペアですらない!!
今まで夜の海でお腹がはち切れんばかりに大きくなったキンセンイシモチを何度も見かけたことはあった。そのたびに良いオスに巡りあえなかった可哀想でちょっと珍しいメスと言う見方しかしてこなかったのだけどそれは誤った観察だったかもしれない。
なぜなら今日見たメス達はアカホシキンセンイシモチもキンセンイシモチもほとんどが砂地で単独で見られたからだ。
僕が今まで思い描いていたキンセンイシモチの産卵の概念は伊豆流のものであって屋久島ではまったく通用しないものだったのかもしれない。
日中に寄り添いあって愛を育んで、機が熟せば産卵。そう思いながら今まで見てきたから産卵が見れなかったのではないか。
そもそも日中に姿がほとんど見えない時点で生態の違いを考えても良かったんだ。
結局今日は日没から2時間ほどイシモチたちを観察していたけれど結局、産卵や産卵したと思われる個体は見られなかった。

それから彼らの繁殖行動を色々と想像することは出来るけど水中では頭がショートしそうだったので、ひとまず考えることを諦めて撤退した。

形ある成果は何にもなかったけど今日は充実した一日だったな。
イシモチ(テンジクダイ科)の繁殖期は始まったばかりこれから存分に楽しんでいこうと思う。



『屋久島ダイビングライフ』 【HP】

by yakuumi | 2013-03-31 00:23 | 一湊タンク下


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